SUSTAINABLE AREA

石徹白(岐阜)

白山信仰ゆかりの地として知られる小さな集落。縄文時代からの人々がくらしていた跡があり、その祭祀を紀元にもつ白山中居神社は景行天皇12年(82年)に創建。修験道が盛んになった平安時代以降は、霊山に至る信仰の道程として、多くの修験者が白山中居神社を通り白山へと向かった。白山信仰を広める御師(おし)がいたことから、江戸時代には神に仕える人々が暮らす特別な集落として、住民の身分は高く、苗字帯刀を許されてもいたそう。白山信仰は水の信仰とも言われ、源流地にあって水を司(つかさど)ると信じられてきたもので、麓の人々は感謝の祈りを捧げながら水を流域のくらしに利用してきた。集落には雪や雨の恵みを受ける水路が張り巡らされ、大正時代には水力発電の試みもおこなれていた。2007年に集落が自立する道として、かつての水の信仰を復活させ、マイクロ水力発電事業が開始。2016年には住民の出資による「石徹白番場清流発電所」が完成。売電収入は村の活性化に役立てられている。近年は、神の宿る土地の力に導かれるように、訪れる人が後を絶たず、移住者も増加傾向にある。

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