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加子母の森に木を植える

岐阜県中津川市加子母 株式会社キャライノベイト

伊勢神宮式年遷宮御用材の伐採が行われることで知られる、岐阜県東濃地方にある中津川市加子母。株式会社キャライノベイトは加子母森林組合と一緒に植樹活動を行っています。

水を育む、循環の森。ヒノキの産地。

中津川市加子母は、伊勢神宮式年遷宮の御神木を始めとする御用材伐採が行われることで知られ、森林組合の活動が盛んな地域です。室町時代から、加子母一帯は最高品質のひのきの産地として知られており、豊臣秀吉、徳川家康などの、時の権力者から重要な場所とみなされ、古くから城や神社仏閣などの建材として重宝されてきました。

 

江戸時代には尾張徳川藩領となり、尾張藩の厳しい森林管理のもと保護され、ひのきを勝手に伐採すると首がとんだという逸話は「ひのき一本、首ひとつ」という言葉として、今も語り継がれています。

 

自然と共生してきた日本の林業

加子母ひのきは、ヤニ(樹脂)が濃い為に、淡いピンク色合いが美しく、ひのきの香りが強く感じられます。また、寒暖の差が激しいために成長に長い年月がかかる分、木目が細かく密度の高い丈夫な木に育ち、かつ油分が多いためツヤが良いという特徴もあります。現在も最高品質の木材として、修復用材としては姫路城、法隆寺金堂、銀閣寺などの有名寺社に使用されています。

 

加子母森林組合は、「美林萬世之不滅(びりんばんせいこれをたやさず)」という山づくりの理念の下で、林齢の異なった大小さまざまな木が育つ「複層林」を育て、天然林に近い森の多様性を保ち続けています。

 

 

日本の山林が抱える課題

日本では、これまで柱と梁からなる工法軸組工法(在来工法)が主流でしたが、近年、海外から輸入された2×4(ツーバイフォー)工法の普及により住宅建材としての木材需要に変化が起きました。大量生産・大量廃棄の時代の流れの中で、安価な木材需要が高まり、海外製の輸入材におされた、国内の林業は著しく衰退しています。

 

日本は、国土の66%以上を森が占め、先進国(OECD諸国)の中では世界第2位で世界有数の森林国ですが、戦後の復興需要と経済発展の為に、そのうちの約半分が人口林になりました。

 

森林は本来、多様な植物とともに微生物を育みながら、健康な土中環境を生み、雨水を濾過し、海にミネラルをもたらします。ですが、わずか数種類の木だけで構成され、間伐されなくなった人工林は、密集度が高まり太陽の光を十分に取り込めなくなります。

 

結果、下草が生えまず、微生物の活動がとまり土中の環境が悪化します。また、日光のあたらない木は、根が細く短くなり、大量の雨などによって倒壊したり、土砂災害の被害を拡大します。近年では、山林と人里の境界が合間になったことで、獣による被害も増えています。
 

 

そのため、できるだけ多くの国産材をつかい、人工林には定期的なメンテナンスが必要となっています。

 

これからを一緒につくる

東京に拠点を置き、日本製の香りのものづくりを行う「株式会社キャライノベイト」の清水さんは、地域の「農産物・伝統」と「香り」を組み合わせるWANOWAというブランドを立ち上げました。

 

加子母森林組合の協力を得て「加子母ひのき」を活用したプロダクトを開発し、毎年、その売り上げから加子母地域に植樹を行い、森に多様性を回復させる活動を行っています。

 

株式会社キャライノベイト

https://kyarainnovate.jp/

 

加子母の植林活動を応援したい方へ

「Sow」では、購入金額の一部を使い、気候変動対策や、里山・生物多様性の環境を守る活動支援ができる仕組みを用意しています。「Sow」でのお買い物を通しても「株式会社キャライノベイト」と「加子母森林組合」による植樹活動を応援することができます。商品購入後のページで「加子母の森に木を植えるを」選択ください。

 

みなさまと一緒に「これから」をつくることができれば幸いです。

 

 

Credit
Text_Kyarainnovate
Photo&Rewrite_Ryo Yoshihashi