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サスティナビリティの先端、徳島県・上勝町が ゼロウェイスト宣言の先にみる未来 || 東 輝実/カフェ・ポールスター店主

2021.03.30|ARTICLE

 

──様々な商品も置かれていますが、ここにあるものは、どのようなセレクションなのですか?

 

「私たちが普段使うものが中心になっています。“うちで量り売りできるものはなんでも”というスタンスで置いていて、町民の方からは卵や油、コーヒー豆が人気です。私たちも商売としてやっているというよりは、一般家庭よりは多く品物を仕入れているので、みんなが欲しいものをシェアしている感覚です」


 

守り、継承していきたいのは、
土地なのか、哲学なのか。

 

 

──上勝が現状抱えている課題について伺ってきましたが、その上で、今後はどのような未来を描いているのでしょうか。

 

「大きくは2つあります。ひとつは、2030年という新しい目標年を掲げて上勝がゼロ・ウェイスト宣言をし直したので、まずはそれまでに自分たちのチャレンジを進めていくということ。新しいゼロ・ウェイスト宣言の最初に掲げられているのが、『ゼロ・ウェイストで私たちの生活を豊かにする』ということなのですが、それは裏を返せば、ゼロ・ウェイストによって住民が豊かさを実感できていないということなんですね。それが経済的なことのか精神的なことなのか、いろいろな考え方がありますが、上勝という自治体をキープしていくのであれば、やはり人口規模が必要なので、新しい学校づくりや移住政策を進めていきながら、かつ、私たちが新しく解釈するゼロ・ウェイストが行われていくことによって持続性を生んでいくという考えです」

 

──「自治体をキープしていくのであれば」ということは、そうではない考え方もあるということでしょうか?

 

「まさにもうひとつの考えが、自治体というくくりがなくなったら、私は上勝が好きだと言えないのだろうかということなんです。最初は、その問いがとても辛かったのですが、今は上勝というものが、場所に特定されなくてもいいのではないかと思うようになりました。例えば、オンライン上で、500人なり1000人なりが上勝というキーワードを持って集まれるコミュニティができれば、上勝を残したということになるんじゃないかと。私は上勝で生まれ育ってきたので、上勝を残すことに固執してきた部分はあると思うのですが、移住してきた人達からしてみれば、また違う考え方もあって。私たちが当たり前だと思ってきた大前提の条件を問われる経験を経て、確かに私はこの上勝という土地を残したいのか、それとも上勝という言葉で表現されるものを残したいのか考えるようになりました」

 

──上勝を土地と捉えるのか、そこで表現されるものを上勝と捉えるのか……。

 

「例えば、ここに暮らしている人達のマインドや、スキルや、知識を学べるカリキュラムを作り上げて、上勝のコミュニティや哲学を学びにくる場所と考えれば、別に自治体でなくても問題ないとも言えるわけです。それが可能になれば、他の地域と人やものや情報を交換することを上勝と呼んでもいいかもしれませんし、エリアという概念を外して考えても、それは持続性があると言えるんじゃないかと思うようになったんです」

 

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Credit
Photo_MURAKEN
Text_Aya Fujiwara
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