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「農作業着・たつけを蘇らせた石徹白洋品店が考える、地域に根ざしたのものづくり」||平野馨生里 /石徹白洋品店店主

2020.12.23|ARTICLE

 

石徹白の心を未来につなげる

絹織物、水うちわ、たつけ。いつだって馨生里さんは失われつつあるものを蘇らせることに心を動かされ、歩んできました。そしてこの石徹白という場所もそのひとつです。

 

──馨生里さんが大事にしていることは何でしょうか?

 

「石徹白がすべてのベースにあることです。石徹白洋品店の商品はこの地に暮らす人が縄文時代から積み上げてきたものの上に生かされています。石徹白もこの数十年で過疎化が進み、古くから受け継がれてきた技術や知恵が失われつつある。私は石徹白に息づく大事なものを次の世代につなげたい」

 

──なぜそこまで石徹白に惹かれるのでしょう?

 

「自然や歴史の深さもありますが一番は人です。石徹白の人が古くから大事にしてきた心に惹かれ続けています。山深い場所で暮らしの楽しみを作り、愉快に生活してきたたくましさは今を生きる私たちにとって大いに参考になると思っているんです」

──心持ちを現代に届けていきたいんですね。

 

「だから服は一つの手段としてこれからも作っていきますが、石徹白の暮らしを受け継ぎ、伝えたいです」

 

──具体的にはどんなことを伝えたいですか?

 

「たとえば石徹白に『肉漬け』という郷土料理があります。白菜の漬物に生肉を漬けて焼いて食べるんですけど、めちゃめちゃおいしいんです(笑)そういうレシピを伝えたり、長く暮らしてきたお年寄りの人生を聞き書きすることにも力を入れたい」

「きっとこれからも石徹白を軸に商いをしていくと思います。私にしかできないことをすると私がいなくなった時に続かないけれど、石徹白でできることで経済を回せたら次の世代にも続いていくから」

 

──今だけで完結せず、未来へという眼差しを感じます。

 

「石徹白はいつの時代も誰もが集落を残そうとしてきたから今があります。だから私たちもそういう想いを抱いていたいんです」

 

そう真摯に話してくれる馨生里さんに、ふとカンボジアのおばあちゃんの真っ直ぐな瞳が重なって見えました。

 

 

Profile
フォトグラファー&ライター / 忠地七緒

フォトグラファー&ライター / 忠地七緒

雑誌編集者を経て2017年独立。アイドル、ライフスタイル誌を中心に撮影。写真と文を組み合わせることで生まれる統一した世界観が評判。作品も積極的に制作しており個展開催多数。上智大学卒業。東京・清澄白河在住。

URL: http://naotadachi.com/

 

 

 

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Credit
Photo&Text_Nao tadachi
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